Saako

マイ・エレメントのSaakoのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・エレメント(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

普段ほとんどアニメは見ず、ピクサー映画も子どもの時に初代トイ・ストーリーを見ただけな私なので、これも全く見るつもりなかったけれど、「太田光のつぶやき英語」「町山智浩のアメリカ流れ者」で、これは韓国系アメリカ人の監督の両親の話だったと聞いて観たくなったもの。
「両親は韓国からアメリカに移住してきた時、いろいろつらい思いをして、それを描きたいと思ってた」と監督のインタビューより。

開始5分で移民の話だとわかる。
入国審査で「名前のスペルは?うーんファイアー語はわからないから、○○と○○ね」

コロナ前、オーストラリアのメルボルンにある移民博物館を訪れて移民について知った事実や深く考えたこと、いろいろ甦ってずっと涙腺が緩んでいた。

アパートに入居させてもらいない、
博物館に行ったのに入館を断られるとか、「共通語が上手だねぇ」「生まれた時からこの言葉で喋ってるので……」という場面とか、全部、移民博物館で見聞きしたエピソードだ。

エンバーが自分の本心に気づいていく過程の描き方も素晴らしかったね。
見て見ぬ振りをしてた自分の本心に気づいちゃって怒りながら帰っていたエンバーの気持ち、わかる気がする。
「全てを投げうった両親をもつ気持ちがあなたにわかる!?」って言葉が、エンバーの葛藤をずばり表しててもう。

映像もびっくりするくらい美しくて、これは映画館で観るべき。

普段は吹き替えより字幕派だけど、なんとなくアニメは吹き替えの方が感情移入出来そうと思い吹き替えを選んだ。声優みんな上手だった。字幕でも見てみたい。

久々に見てよかったと思えた、心躍る作品でした。

あとエンバー癇癪持ちって設定になってたけど、序盤、お店に来るお客さん達みんなマナー悪すぎない?日本人の感覚だからかな?私でもエンバーみたいに怒ると思う(笑)
Saako

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