桃子

黒いチューリップの桃子のレビュー・感想・評価

黒いチューリップ(1963年製作の映画)
3.8
「イケメン義賊」

ドロン様目当てで鑑賞。双子の兄弟を一人二役で演じている。顏はそっくりだけれど性格はだいぶ違うという設定で、兄は剣客で精悍でアクティブ、弟はおとなしくて少しナヨっとしている。弟は、兄に身代わりを頼まれて引き受け、黒いチューリップとして大活躍するのである。
兄と弟が同時に出てくるシーンが何度もあるのだが、合成しているはずなのに違和感が全くないのが素晴らしい。60年代の映画なのにたいした技術である。
小説や映画の題材として、義賊ものは古今東西を問わずに人気がある。すぐに思いだすのはやっぱりロビン・フッドだ。西部劇にも登場する。ビリー・ザ・キッドとかジェシー・ジェイムズとか。日本にも有名な義賊がいる。石川五右衛門に鼠小僧。これらは実在の人物だが、黒いチューリップはフィクションのキャラクターである。
原作はアレクサンドル・デュマの同名小説。フランス革命勃発前という時代背景である。いかにも義賊が活躍しそうなシチュエーションだ。昔、夢中になって「ベルサイユのバラ」を読んでいたことを思い出してしまう。
ドロン様は相変わらずかっこいい。公開当時は29歳という若さである。チャンバラの時の身体のキレが違う。セクシーさ加減が炸裂しているので、ファンとしてはたまらない魅力だ。そしてコミカルな姿も楽しめる。なにしろ一人二役だから!こういう彼を見ていると、ストーリーはどうでもよくなってきてしまう。実際、もう話の半分くらいは覚えていない(^_^;)
利口な馬が出てくるのが印象に残っている。ヴォルテールという名の黒馬である。そう言えば、LOTRにもアラゴルンを助けるお利口な馬が出てきたっけ。私は西部劇やコスプレものが大好きなので、他の人より数多く映画に出てくる馬を見ているのだと思う。詳しいことは全くわからないけれど、たぶん映画にひっぱりだこの演技の上手な名馬がいたのではないだろうか。
ドロン様は、去年の夏に脳卒中をおこして今はスイスで静養しているのだという。もう映画に復帰はできないのかもしれないけれど、長生きして欲しい。今後も、彼の出演作コンプリートを目指して鑑賞を頑張ります!!!
桃子

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