「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子2023年脚本・監督作品。筒井真理子、光石研、磯村勇斗主演映画。
震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。
須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが…