母の訃報を受けて病院に向かう途中、人を轢いてしまった刑事のノンストップサスペンス。
頭から尻まで餡子の詰まった鯛焼きのごとく、イベントがとにかくぎっしり。定期的に挟まれる笑いのテンポもよく、プロットがしっかり練られていてとてもおもしろかった。アクションのよさで語られがちな岡田准一だけど、本作では汚職に手を出し、家族ともうまくいかず、ひょんなことから巻き込まれた破滅的トラブルをなんとか挽回しようとする、ひたすらにうだつの上がらない男を好演していて、今後も目が離せないなと思った。演出と営業のパッケージ次第では、どんでん返しありのコンゲーム的作品として売り出すこともできたと思うけど、たぶん監督の力点はそこにはなくて、たぶんどこにでもいるような男がひたすら足掻く様を描きたかったのかな。その演出的態度もしっかり伝わってきて、期待以上に好印象の映画だった。
以下追記。
本作、別にオリジナル版があるんすね。なるほど。