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アイの歌声を聴かせてのスティーブのレビュー・感想・評価

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)
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AIの研究が盛んな地方都市にて、強いAIを搭載した人型ロボットが高校に溶け込めるかどうかという実験が行われる。その中でAIの少女を中心に紡がれる高校生たちの青春映画。

というのは実のところ建前で、のちに世界を滅亡させるスカイネットの誕生秘話である……と言われてもわりと納得できてしまう、そんな話だった。いや、AI少女を高校に溶け込ませるはずが、速攻でそれが博士の娘にバレてしまい、親を思いやるがゆえに、娘たちは知らないふりで必死に周囲にバレないよう取り繕う、というプロットは興味深かったのだけども、母親の博士はじめ、開発チームの連中、学校に許可も取らずにそんなことするのはさすがにあり得なくねーか……という疑問が気になって、ちょっと話に入り込めなかった。しかもそのAIも個人の幸せのためには暴走することも辞さないという過激ぶりなので、それを食い止めようとする敵役の支社長たちこそがまともな大人に見えてしまうというか……。AIはまさに現在進行形でその可能性が模索されつつも、様々な危惧も検討されているわけで、本作のノリはちとAIに対して能天気に過ぎるのではないかと思わされた次第。