韓国で制作されたキム・ソンフン監督の同名作品を『ヤクザと家族』『新聞記者』の藤井道人監督が日本版にリメイク
賄賂問題、母親の死去、離婚、そして轢殺。様々な問題が一気に身にかかり、対処に追われる刑事が謎の人物から「お前の罪を知っている」と脅迫を受け取ることから怒涛の展開を見せるノンストップな作品となっています
既に多くの問題を抱えている状態の主人公が轢殺という大きな事件を起こす導入から始まり、そのまま良いテンポ感を維持したまま、より大きな事件へと巻き込まれていく様が見ていて楽しい
オリジナル版を観ていないのでどの様にアレンジされているのかは分かりませんが、ツッコミどころのある設定や展開が多いのでリアリティを求める人には合わない気がします
それでも悲劇と喜劇の紙一重さをバランス良く描き出しており、エンターテイメント性の優れた作品に仕上がっていました
スリリングな展開(緊張)に登場人物たちの右往左往っぷりの可笑しさ(弛緩)を織り交ぜることで、プロットだけ見ると重い物語を軽く観られるものにしてくれています
W主演を務めた岡田准一と綾野剛も良く、本人は至って真面目なのに三者目線だと滑稽に見えるキャラクターを見事演じていました
最後まで突っ走るしかない2人の男の対決に爽快さを感じることができる秀作です
