よつ

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミのよつのレビュー・感想・評価

5.0
「ユーリー・ノルシュテイン傑作選」5つ目。

もう、本当に、絵本でもそうだけど、なんともいえない気持ちになってしまうんだよな…。なんかふとした時に読み返してしまう。

悲しみとも違うし、怖さとも違う、なんか本当にこの作品でしか自覚できない感情、触れられるところ、みたいなものがある。

ハリネズミくんが出会う生き物達が霧の中に段々と遠く、消えていくのが、なんか泣けてしまう。実際鼻がツンとした。
その中でも白い馬の存在が本当に私の中では大きい。一番近づいてそばに寄りたいのに、あの生き物たちの中で一番、ゆっくり遠のいていくような感覚がある。

ハリネズミくんが最後にはコグマくんの家に着く時、ほっとすると同時に現実に戻された感がある。ハリネズミくんを待っていてくれる子がいるっていうのがそうなんだろう。

この作品は多分絵本でも映像でも一生私の中で残り続けて、ずっと見返し続けるものになると思う。
よつ

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