氷雨水葵

劇場版 空の境界/第五章 矛盾螺旋の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

4.3
2024年11本目

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◆あらすじ
自称人殺しの少年・臙条巴(CV:柿原徹也)はある夜、着物に赤いジャケットを羽織った、不思議で誰よりも美しい存在、両儀式(CV:坂本真綾)と出会う。

一方、蒼崎橙子(CV:本田貴子)は異常性があるという’’小川マンション’’を調査することに。

そして、やがて式は根源を求めるもの・荒耶宗蓮と対峙する―――。

◆感想
月末になったので続編を鑑賞!3章・痛覚残留と1章俯瞰風景のあと、1998年8月のお話。
最初は、時系列がこれでもかとシャッフルされていて「??」な部分が多かったけど、終わってみれば1章や3章と争うくらいめちゃくちゃよかった。式の活躍はもちろんだけど、橙子さんが主役なんじゃないかと思うほど魅力たっぷりに描かれ、ラスボス荒耶宗蓮との壮絶な戦いも見逃せないところ。しかも、式と臙条巴の交流も並行して描かれており、式の人間性と根源を体現する特異性がばっちり分かる出来栄えに。今までの章の伏線を回収する流れが高評価。個人的には、珍しく幹也が式のそばにおらず、中盤になって漸く活躍がある感じがよかったです。幹也が邪魔ってことじゃなくて、今までになかった演出だったなぁと。ただ、やっぱり所々、難解な部分が多くて脳内処理が大変な章でもありましたね💦てか、テレビ放送で観たことないなと思ったら、6章・忘却録音とともに含まれてないんだね。

さて、本作には新キャラ・臙条巴が登場するわけですが、んん~柿原徹也の演技がすごい新鮮(笑)どこか衛宮士郎にも似ているビジュアルから出る声が杉山さんじゃないというだけで違和感の塊…wとはいえ、こういう少年声にはぴったりでした!
にしても、小川マンションの構造というか、螺旋をずっと見ていると脳がバグる。当たり前だと思っていたことが実は逆(出入口が逆)で、ちょっととした違和感にさえ気づかず、いつのまにか麻痺しているという設定に「なるほど」と思いました。なかなか異常性を感じるとんでもないマンションでしたね…。序盤の見どころは式と巴のドラマ!

そして、遊佐浩二演じるコルネリウス・アルバも初登場。魔術協会では橙子と荒耶宗蓮の同期だそうで、登場したばかりなのに、その圧倒的小物感に笑ってしまったww予想通り、橙子にあっけなく2回も敗北して逆に愛おしかったわ。中盤の見どころは、橙子と荒耶宗蓮が激突するところ。橙子が敗北したときは「えええ!?」と思ったけど、なるほど自分と何一つ変わらない人形を製作できる橙子ならではって感じで、前線に赴く理由がわかった。コルネリウスに対して歯茎むき出しで笑っているシーンは圧倒的強者感あって好き。彼女を「傷んだ赤色」と呼んではいけない。最高にかっこよかったぞ橙子さん。そして、囚われていた式と荒耶宗蓮の2回目の戦闘シーンも迫力があってよかったです!

ラストの、式といないはずの巴が手を振り合うシーン良き!!巴のことを考えるとめちゃくちゃ切なくなるし、なんだかんだ式と過ごした時間が巴には本当にかけがえのないもので、刀を背負いながら言った「この螺旋が矛盾していたら良かったのに」のセリフにもぐっときました。エンディング後の式と幹也の会話好き。「お前の部屋の合鍵持ってない」って言いながら、ちょっと膨れる式かわいすぎない!?ちょっと顔赤くなってるし、こういうところはちゃんと女の子なんだなぁと(笑)

エンディングテーマ「sprinter」は、今までに比べてロック調でめちゃくちゃかっこいい曲でした!

てか、みんなロケットペンシル知らないの?
氷雨水葵

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