過剰な承認欲求の行末を描いたノルウェー発のブラックコメディ。
恋人がアーティストとして成功しかけている事への嫉妬から、薬の乱用で意図的に病を患い世間の注目を集めようとする女性の物語です。
具体的に描かれなくとも親の愛情不足が歪んだ精神を築いてしまったことが示唆され異様な行動にも一定の納得感がありますし、発信媒体が新聞や本であることも安易なSNS批判へと陥らずに良かったと思います。
他者への攻撃へと発展するありがちなスリラーに走らなかったのも本作のユニークさとして好印象でした。
度々挿入される妄想シーンはもう少しうまく観客をダマしてくれても良い気がしましたが、シニカルな笑いとゾッとする悍ましさのバランスが取れていて面白かったです。
