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せかいのおきくのjteaのネタバレレビュー・内容・結末

せかいのおきく(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

幕末期の暮らしやトイレ事情を、それに携わる人、長屋で暮らす人たちの交流を垣間見られます。おきくさんは不幸な出来事に見舞われてしまいますが、前向きに生きる強さ、そして恋する姿に心を奪われました。おにぎりが車輪の下敷きになりぐちゃぐちゃになっても告白できたことにうれしさを感じ、おきくさんのせかいにしばし酔いしれてしまった。時代を感じるモノクロの世界ですが各章終わるところで色が付きます。ボーとしていると見逃してしまうので意識して鑑賞しました。おきくさんの淡い着物の色とほんのり色づいた頬が印象的です。首を切られているシーンはモノクロですが赤い血がドクドクと流れる情景が黒木華さんの息遣いからリアルさが。そしてなんと言っても糞尿を汲むシーン、モノクロでもしっかり感じます。よく再現されていて特に効果音「ちゃっぽん」と汲む音、蠅が「ブーン」と鳴く羽音。一瞬色が付くシーンもあるのでご注意を。「そこは笑うところでしょう」とか、言葉遣いは現代寄りで楽しかった。この映画が せかいのきおくに残りますように。
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