映画を観るとせかいのおきくよりもクソのせかいという印象の作品。
おきくと心通わせる中次がおわいやという便所の汲み取りを職にしているため、全編通してずっと糞のお話が続く。
モノクロの意義はここにあり。
糞の汲み取り作業にお金を払うのかと思いきやむしろ買取サービスでお金をもらい、なんなら武家の方が栄養のある良いものを食べてるから価値が高いというのが今となっては興味深い文化。
買い取った糞は農家に肥料として売るというシステムだが、ありがたいはずなのに売買する両者からともクソみその扱いである。
そんなクソみたいな世界で、心を通わせていくおきくと中次。
身分違いや言葉の差を超えながら心を通わせていく姿は美しいが、なんせおわいやの仕事姿が強烈なので、そっちの方が印象的な作品だった。
章立てになっており章の最後だけモノクロからカラーになるが、何回かカラーにならないのでその違いがなんなのか、気持ち悪かった。全章最後はカラーにすれば良いのに。それはそれできっちりしすぎて嫌なのだろうか。個人的にはカラーにしなくても全然良かった。