近作の流れとしてある「世界と個人の関係」のこれまた一つ。阪本順治はセカイ系の作家や(言いがかり)。サイレント映画に倣ったいかにも訓話的なお話でそんなにノれず。ギャグも別に笑えない。うんこに焦点を当てて「全部は繋がっているんだ」などと説きたいならば、排泄と並行して食事のシーンも入れないと片手落ちになる。申し訳程度の配慮であるモノクロにしても、パートカラーで映しちゃうから意味がよく分からない。脱糞音をちゃんと響かせない。『ベネデッタ』はちゃんとやってたよな。もっと排泄することに向き合って。男同士の萌えるホモソを描く手腕は健在で、何か『傷天』みたいだなーと思っていたらリメイクは真木蔵人でやってましたよね。『シン・仮面ライダー』で悪い庵野秀明に枷をはめられて不自由そうにしていた池松壮亮が、ねずみ男的な子狡い男を動物的な芝居全開で好演していて、良かったなーと思いました。
