このレビューはネタバレを含みます
前情報を何も入れずに鑑賞。
「私がこれまで何本も作品を出してきたうえでの集大成です、やりたいことをとにかくやりました、どうだ(ドーン!)!」という感じで笑った。すごくて潔くて気持ちよかった。
パズーがラピュタの壁をのぼるように、たくさんのこだまが森で揺れるように、ハウルとマルクルが自宅で食事するように、ナウシカが腐海を歩くように、キャラクターが動く。
お父さんやヒミが好戦的で犠牲を問わない性格なのに対して、主人公は犠牲を悲しみ平和で、優しい。終戦後の転換期に生まれた宮崎駿は少年時代に心が揺れていたのかもしれない。
映画『怪物』もそうだが、少年時代のイマジネーションや集中力には勝てない。大人になった僕たちは、アオサギの羽をもとに、あれほど夢中に弓矢を作れただろうか。何か1つのことのめり込んで取り込めるだろうか。