賛否両論あって不安だったのですが、前情報無しでジブリ作品のような大作を観られる機会は今後無いと思い鑑賞してきました。個人的にはかなり賛！楽しめました！
ちょい拗らせ気味の眞人くんもインコワールドを創造した大伯父も全部宮崎駿みたいな強烈な"俺"映画なんで懸念かつ期待してた説教臭さは全然無かったですよね。七人の小人みたいなキャラの濃いおばあちゃん軍団がもうジブリ感が凄くて出てきた瞬間にニヤニヤしてしまいました。それに今回は随所に過去のジブリ作品のセルフオマージュが散りばめられているのも楽しかったですね。青サギ男は菅田くんの怪演もあって魅力的なキャラクターでヴィジュアル的にはキモい感じもあるんですけど憎めないですしラストではちょっと感動してしまいました。確かにワラワラがDNAというかカエルの卵みたいになったのをペリカンが食べてヒミが燃やしつくす件なんかは何のメタファーなのか正直よく分かんないですし全体としてストーリーに整合性ないとは思うんですけど、どれもストレスには感じなかったし楽しかったんですよね。それにインコ軍団もワラワラもおばあちゃん人形も絶妙な可愛さで癒されますし、ジブリらしいピンポイントの良さみたいなのかなりあると思うんですよね。
最終的に母への後悔を吹っ切って夏子さんとも仲直りしてラストは駆け足気味だとは思うんですけど後味が良くてやっぱり好きですね。宮崎駿のバックボーンや『君たちはどう生きるか』原作を知っていた方がより楽しめるのは間違いないですけど、単体でも勝負できるクオリティだと思いますし、これが本当に宮崎駿の引退作なら相応しい一本になっていると思います。御年82歳で新作しかもこんなに素っ裸になってさらけ出してくれてるというのを観られるという体験は中々出来ないと思いますし、子供の頃からジブリ作品にはとにかくお世話になりました。近いうちにまた観に行きます。
