アメリカでの大コケと酷評により叩いてもいい映画と認識されたのか国内でも早くもブーイングが相次いでいますが観てみないと分らないと鑑賞。
いや、そんなに酷くないよ。
酷くないけど面白くは無い。
普通に面白くない。
ヒーロー映画として見どころが無い。
……やっぱりダメだったかな
「ソニー・スパイダー・ユニバース」、「SSU」の第四弾。
このSSU自体が「ヴェノム」以降面白い作品を提供できていない状態なので真打のスパイダーマンが登場する前に終わってしまうのではないかと心配になっています。
「マーベル初の本格的サスペンス・スリラー」という惹句の通りMCUフェイズ4以降と同じくヒーロー物のフォーマットでジャンルムービーをやるんのかなと思っていましたが……
これミステリーでもなんでも無いやんけ。
作品の方向性は非常にわかりやすく、女性の連帯、父親的存在をコレでもかと排除したシスターフッド物です。
でも主演4人の魅力度というか好感度が低く、グループでの化学反応も無く、全然応援しようという気にならないのが大問題。
反対に今作一の癒し系と言うかゆるキャラであるヴィランであるエゼキエルさんを途中から応援していました。
キメようとするとすぐに横から車に突っ込まれるエゼキエルさんが超キュートです。
「俺のものは何一つ奪わせない」と言いながらタワマンに住んでいる以外何をしてるか一切分からずたった1人の部下の女性にイキリ散らかしているエゼキエルさん。
検索している部下の後ろで所在なげにウロウロしているだけのエゼキエルさん。
「見つかりました!」と言われるたびに急いで着替えて自ら現場に直行するエゼキエルさん。
もう見終わった後はエゼキエルさんしか覚えていないくらいです。
設定的に面白いのは主人公がサポートキャラタイプのサイドキックであり、ピーターを含め4人の未来のスパイダーマンを守るために奮闘するストーリーであるところでしょうか。
でもそれにしてもスーツを着るところすらなくヒーロー誕生譚のさらに前日譚なのでコレで盛り上がれと言うのは少々酷です。
ヒーロー物としての面白みはあまり無いと言いましたがヒーロー物というガワを外して殺人鬼から未来予知を駆使して逃げるというサスペンスとして全然面白くなかったです。
緊迫場面→実は未来予知で同じ場面がコレから起こります。
という展開が映画のテンポを非常に悪くしていますし、この未来予知を使って非常に雑に敵の動機を知ったりと脚本部分の雑さが目立ちます。
スパイダーウーマン達のマスク全然顔隠せてないやんけ!と思っていたら劇中でも全く意味が無かったのは少し面白かったです。
全体的に予定調和で予想通りに事が進みます。
唐突に心臓マッサージの練習始めるくだりで観客全員がラストを想像できたと思います。
唯一観客の度肝を抜くというか予想を裏切ったのは長いスタッフロールを我慢してみてもオマケ映像が無かった事だと思います。
これ、スパイダーマン出ないままSSU終わるんちゃう……