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マダム・ウェブのMrOwlのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
4.1
マーベル初の本格的なサスペンス、ミステリーという触れ込みのマーベルシリーズの最新作です。マーベルシリーズとは言うものの、コロンビア ピクチャーズがマーベルと共同で製作した、「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」(SSU)の第4作目となる作品ということです。それで配給がソニー・ピクチャーズ エンタテインメントであることが腑に落ちました。マーベル・シネマティック・ユニバースとはマルチバースの関係にあるそうなので、キャプテン・マーベルのマーベルズとは同一ユニバースではないということですね。昨今の時代背景を受けていることも影響しているのか、メインキャストはほぼ女性です。また主役のカサンドラ・キャシー・ウェブ/マダム・ウェブを演じるダコタ・ジョンソン、ヴィラン役のエゼキエルをタハール・ラヒム(アルジェリア系フランス人)、キャシーの救命士の相棒役のベンはアダム・スコットと、いわゆる超大作に出演していない、日本では(恐らく世界的にも)知名度がそれほど高くない俳優陣で制作されているのも興味深いです。ダコダ・ジョンソンは、初めて認知した感じです。タハール・ラヒムは23年公開のナポレオン、モーリタニアン黒塗りの記録、マグダラのマリアなどに出演しているようですね。ベン役のアダム・スコットは、ベン・スティラーのLIFE!(The Secret Life of Walter Mitty)で、企業買収でリストラのためにやってきた嫌な奴を演じていましたので印象に残ってました笑。本作ではキャシーの良き相棒で、どちらかというと女性に振り回されるコミカルな役で良かったです。キャシーは3人の少女と行動を共にすることになるのですが、3人ともキャラが立っていて良かったです。アーニャ役のイザベラ・メルセード(イザベラ・モナー)はトランスフォーマー最後騎士王やボーダーライン:ソルジャーズデイにも出演しているので、見知っている人も居るかと。大人びた美少女でしたが、背も伸びて更に良い女優さんになってきましたね。シンガーソングライターとしての顔も持つ多才な女優さんです。ジュリア役のシドニー・スウィーニーは、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドにも出演しています。ヒーローモノで、女性中心、一昔前なら制作も難しかったかもしれませんが、女性ヒーローでも力強く、面白い映画ができることは、ブラックウィドウや、キャプテン・マーベル、DC側ですがワンダーウーマンなどで証明されていますので、抵抗感はありませんでした。ただ、マーベルズが、エンドゲームの大団円の後であり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの集大成後の作品で、少しスケールの大きさを感じ難かったので、本作も期待し過ぎないように、少しハードルを下げて観に行きました。これが奏功したのと、前日にみた「落下の解剖学」がやや物足りなかったことも良い影響として働いた模様で(落下の解剖学、すみません笑)、本作は素直に楽しめましたし、キャシーと母の想いが通ずるところは、グッと来ました。クモの能力はスパイダーマンで十二分に映像化されているので、そこをうまく躱すというか、予知能力を用いた力押しではない戦い方なのも良かったです。
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