MrOwl

ティアーズ・オブ・ブラッドのMrOwlのレビュー・感想・評価

3.8
まずまず面白かった。
過去の無い男が血の涙を流す。
予告編も96時間やイコライザーを彷彿とさせるので
こうしたジャンルが好きな自分としては見ない訳には行きません笑。
どちらかというと、Mr.ノーバディに近い感じかな。

フランス語で話しているので、
てっきりフランスが舞台かと思いきや舞台はベルギーでした。
レオ役にはスペインの名優アントニオ・デ・ラ・トレ、
レオに疑惑の目を向ける警察の捜査官にはマリーヌ・バクト、
上司にはオリビエ・グルメなど実力派俳優が揃っています。
オリビエ・グルメ、太ったな~。
ビヨンド・ザ・ロウ(2017)の時は精悍な犯罪組織のリーダーを演じていて、渋くてカッコ良かったのに笑。
レオ役のアントニオ・デ・ラ・トレは
ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件
で吃音を持つ刑事を演じていたり
静かなる復讐で、無口なホセ役を演じていたり
マーシュランドで被害者の父親ロドリゴ役を演じていたりするので
見たことあるかも、と感じる方は居るかもしれませんね。

本作でも、地下鉄の運転士で、親しい友人もいる一般市民のレオの顔と
警察にマークされ照会されたものの、情報が出てこない謎めいた男としてのレオを好演していました。
疎遠だった息子・ユーゴの敵討ちなのか、それとも隠された経歴の中に何かあるのか。レオは警察には協力せず、むしろ追われる形で行動していきます。
銃の扱いにも慣れていたり、犯罪や犯罪者に対する怖れは感じていないようで、近接戦闘もできる感じです。ただ、圧倒的な強さ、という感じてもないですし、電子機器には疎かったりします。
96時間のリーアム・ニーソンやイコライザーのデンゼル・ワシントンが演じたような、一人でもあらゆる状況に対処できるスキルを持つような特殊部隊の訓練は受けていないような印象です。
彼は一体何者なのか。事件とレオを捜査する警官たち、強盗事件に関与していると思われる犯罪者達、そして息子を失ったレオ、三つ巴の構図は面白かったですね。
(最終的にレオの持つ過去については、上手く説明されたかなと思います。)
欲を言えば、犯罪チームのリーダー格はなかなかシブイキャラクターだったのでもう少し背景が描かれていると魅力が増したかなと思います。
ライフルの扱い方、防弾ベスト、ナイフなどレオよりもしっかりと戦闘訓練を受けた様子が伺えました。
恐らく道を外れた元軍人、と想像されるのですが。
レオと刑事マリーヌ・バクトのキャラが立っていて、構図は三つ巴なので、この悪役のキャラも立てた方が、より緊迫感が上がったのではないかと思いましたね。

上映館が少ないので強くおススメできないのですが
こうしたジャンルが好きな方はまずまず楽しめると思います。
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