みりお

死体の人のみりおのネタバレレビュー・内容・結末

死体の人(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「死ぬ」ということを追求する人を通して、「生きる」とはを描く逆説的な展開が、とても面白い✨
魅力溢れるスーパーマンのような人に「生きろーーーーー!!」と押し付けられるのは正直しんどいけれど、自分と同じように人生にあえぐ人が"生きるとは"を見つけていくストーリーは、観ていてホッとするなぁ。

名も無い役者で、来るのは死体の役ばかりの吉田。
一丁前に主役を演じたいのに、さも死体の役をやりたがっているように演技にこだわってみせる様子は正直イタい。
どれほど上手く死ぬ演技ができるかにこだわり、でもそんな自分が嫌いで、生きる目的が見つからなくて…
そんな風に生きることに適当だった吉田が、生きたくても生きられない命を目の当たりにしたことで生きることの価値を知り、生きるために真剣に死体の役に向き合い、徐々に彼の生きづらさが解消されていくのだ。
この「生きる」と「死ぬ」の対比が本当に素晴らしくて、綺麗なシンメトリーが見ていて気持ちよかった💓

主演の奥野瑛太さんを、監督は「強面」と表現していたけど、正直これまで観た役が怖すぎて、私の中ではそれを通り越して「反社顔」、もしくは「ヤク中顔」🤣🤣
でもそんな悪人面の奥野さんが本当に可愛らしく、ピュアで、人生に溺れそうな善人に見えてくるので、監督さんの脚本と奥野さんの役作りがすごいんだなぁと、改めて実感✨
唐田えりかはやはりあの事件以来、正直"生理的に受け付けない"認定が私の中でされてしまっているのですが、映画の序盤と後半での表情の差は、やはりお見事な演技でした✨
あとなにより吉田の父役のきたろうさん🥹✨
出てくるだけで画面全体をしっとりさせる、あの哀愁はほんとなに🙈💓?
今回もいいお役でした🙇‍♀️


【ストーリー】

売れない俳優の吉田広志(奥野瑛太)は、演技に対するこだわりは人一倍強いものの死体役ばかりをあてがわれていた。
劇団を主宰していたころの後輩がテレビで活躍している一方で、物言わぬ死体を演じる日々が続く中、彼はデリヘル嬢の加奈(唐田えりか)と出会う。
そんなとき、とあることから軽い気持ちで妊娠検査薬を試してみたところ、男性でありながら陽性反応が出る。
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