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死体の人のKOZOのレビュー・感想・評価

死体の人(2022年製作の映画)
4.1
亡くなった大杉漣さんをはじめとした「バイプレイヤーズ」の面々のような名脇役たちに続くと期待している奥野瑛太、独特な爬虫類系!?な風貌からチンピラ役で主役にボコられてる印象が強いのだけど、Wikipedia見たら出演作の多いこと。『空白』の数分だけしか出演していないのに感情を揺さぶるラストシーンは素晴らしかったな。
この人の11年ぶりの主演作。

相手役は“事件”を乗り越えてミニシアター系作品から復帰して地道に頑張ってる唐田えりか。前作はタイミングが合わず見逃したので楽しみにしていた。

小劇場の座長だったのが、今は売れない役者、来るのは死体役ばかり。死体役についてのこだわりが強すぎて監督に怒られ、事務所から怒られ…のシーンは笑えるけど哀愁が。
交通整理のバイト先で死体感を失わないようにと日焼け止めを塗りたくって白塗りみたいになるのも。

そして、稼いだお金を売れないミュージシャンでギャンブルにはまってるクズな彼氏(『最初の晩餐』の楽駆やん!あんな田舎の素朴な高校生やったのに…)に貢ぐ生活を送るデリヘル嬢。

こんな生きることが不器用な2人が出会い、「生きること」「死ぬこと」に直面することになって…

笑って泣ける人間ドラマ。主人公の両親役のきたろうと烏丸せつこがいいアクセントに。特に烏丸せつこの迫真の演技は素晴らしかった。

後半のあるシーンの展開が強引というか、やっつけな印象だったのが少し残念だけど、役者たちの熱演は楽しませてもらった。
前髪を下ろしてる奥野瑛太、今作は弱々しい役だったけど、革ジャン着せたらロックミュージシャンみたい。
奥野瑛太と唐田えりかはこれからもチェックしていきます。
「好きなことを貫け」。
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