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夜明けのすべてのKOZOのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.3
前作『ケイコ 目を澄ませて』が評価が高くて個人的にもハマった三宅監督の新作。前作同様16mmフィルムで撮影された温かな映像、そして極力抑えつつ効果的な劇伴。

パニック障害とPMS(月経前症候群)を抱え、社会で生きづらさを感じながら生活をしている主人公たち。その二人を温かく包み込む、職場の同僚をはじめとした周囲の人たち。
二人の“発作”の場面は観ててしんどくはなるけれど、なぜあんなにみんな温かいのだろう。
途中「グリーフケア」の当事者会の場面があったけど、身近な人が亡くなったことで他者に優しくなれるのか。

大きな事件はないものの、地域貢献の年1回の小学校でのイベントを二人が力を合わせてより良いものにしていこうと進めていき、成長していく姿に心打たれる。その二人を助けてくれるあるアイテム。

前作でいうジムの会長の三浦友和のポジションは二人の勤務先の社長の光石研。人生訓のような言葉を発する訳ではなく、淡々と二人の背中を押す姿にじんわり。

ただ、「ボクシング」という相手との闘いにより自分自身に向き合う主人公に感情移入ができた前作に比べ、感情移入が少ししづらかったかなあ。
W主演の松村北斗と上白石萌音は素晴らしかった。
芋生悠、個人的に好きなんだけどまた「惜しい」役…トレンディドラマの豊原功補みたい(泣…わかる人いるかなあ)。
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