ムック829

キングダム 運命の炎のムック829のレビュー・感想・評価

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)
4.0
面白かった。王となる嬴政の幼少期を綴ったエピソードには胸が熱くなり、後半の戦パートにはワクワク。
大軍勢を俯瞰で見下ろす映像は、「見よ、まるで人がゴミのよ…」もとい、圧巻の一言でしたね。
一番良かったのは紫夏を演じた杏。凛とした佇まいが素晴らしく、表情にも見惚れました。

しかしちょっとした違和感があって、アマプラのアニメで確認。
どうやらアニメだと3話にも渡る幼少期の回想シーンが、映画ではかなり短くなってしまっていた。
だから嬴政の苦悩が若干伝わり難く、また「紫夏がなぜそこまでして嬴政を守るのか?」
それも伝わりにくくなっているんですよね。

また原作の回想で描かれる嬴政はもっと子供だったのに対し、映画では王となる吉沢亮がそのまま演じていて。
だから既に王の風格が漂ってしまい、「苦悩する幼き子が王の意識に目覚める」という演出が弱まっていたのは残念。
それでも十分にグッときて震えてしまったほどなので、悪くはない演出なのかもしれませんけどね。

戦闘シーンにも違和感が。「さすがに無理があるだろ」という展開があるんです。(観ればわかります)
そこは、原作アニメでは最後の一押しのための「援護」があるんですよね。
しかしその援護が無いせいで、なんだか漫画の世界をも越える「超展開」になってしまい勿体なかった。

ちょっと文句をクドクドと書いてしまったけど、原作の再限度は十分すぎるほど。
最後はあの人とかあの人とか、チラ見せしていい所で終わったので、次回作が待ち遠しいです。
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