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ゴジラxコング 新たなる帝国のyasuのレビュー・感想・評価

3.5
監督の前作『ゴジラVSコング』が強烈につまらなかったので、劇場で鑑賞するつもりはなかったのだけど、世界の興行収入が絶好調という評判を聞き、思いがけず観に行くことにした。念のためIMAXで。もちろんグランドシネマサンシャインのフルサイズ。

ゴジラが地球のために悪い怪獣をやっつける、ってそれは平成ガメラじゃん!
チビコングはミニラへのオマージュ? 氷河を突き破るゴジラは『キングコング対ゴジラ』だし、怪獣同士が徒党を組んで戦うのは『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』などなどと、昭和平成怪獣映画に対するオマージュ満載。
見世物映画として徹し、人間ドラマとか設定とかリアリティレベルとかは「こまけーことはいいだよ」と全力で無視して、怪獣プロレスのつるべ落としでガンガンと進行する。ある意味、清々しいの嫌味ではない。
監督の前作『ゴジラVSコング』が強烈につまらなかったので心配していけれど、思っていたほどにはひどくなく、それなりには楽しめるようにはなっていた。だけど、ハリウッド版ゴジラはやはり好きになれない。

殺陣とかカット割りがイマイチなのと、カットのテンポが速すぎて雑な印象。もうちょっと決め絵を大事にして欲しい。
怪獣プロレスってのは分かっているのだけど、カメラが怪獣視点だったり、構図に比較対象となる建築物などを入れないので、怪獣の巨大感に欠ける。見せ方という点では、圧倒的に予算が少ないはずの『シン・ゴジラ』や『−1.0』ほうが巧いと思う。

見せ場は、例のゴジラとコングがかけっこするシーンか。あそこは変な迫力があって笑ってしまった。
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