旅するランナー

プチ・ニコラ パリがくれた幸せの旅するランナーのレビュー・感想・評価

4.2
【予習8割、復習2割】

フランスの児童書「プチ・ニコラ」誕生秘話。
「プチ・ニコラ」の物語に、原作者ルネ・ゴシニとジャン=ジャック・サンペの人生を交えて描いたアニメーション。
パリで活躍する作家とイラストレーターが、少年ニコラのキャラクターを創造していきます。
とともに、自身の子供時代を追想します。
原作のイラストを手掛けたサンペがグラフィッククリエイターとして参加してます。

アニメ描写が独特で、ササっとスケッチした感じがオシャレです。。
画面の上下左右隅が描き残しになっていて、ラフに描いたばかりの状態に感じられます。
高畑勲作品のような、素朴な躍動感があります。
それと、ケンカシーンにモコモコ煙が使われているのも、日本アニメの影響が感じられます。

さて、学習では「予習8割、復習2割」と言われます。
実は、今作が公開されるのを聞きつけ、「ボンジュール!プチニコラ」「プチニコラの休み時間」を事前に熟読しました。
日本で言えば「ちびまる子ちゃん」になるのでしょうけど、大人も楽しめる、というか大人だから懐かしく楽しめる、子供たちの傍若無人ぶりが面白い読み物です。
物語はフランス·ボルドーの小学校を舞台に、ニコラくんとクラスメートたちが日々ケンカ·イタズラし放題。
親たちや先生たちも巻き込んで、笑わずにいられない事態が勃発しまくります。

ニコラくん、両親、親戚、隣人、先生、クラスメートたちの性格が分かった上で、今作を観ると、心から楽しめますし、心に響きます。
きっと、フランス人にとっては、最高の贈り物のような映画でしょう。
アヌシー映画祭最高賞受賞になるのも納得です。
そして、復習として、同じくルネ・ゴシニが生みの親である「アステリックス」作品も観賞しようと思います。