芦花

劇場版 SPY×FAMILY CODE: Whiteの芦花のネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いやすごかった。

ストーリー展開から、演出の仕方から、伏線の張り方から回収まで見事すぎた。

「ファミリー映画」という軸は失わず、その中にラブコメ要素と、ギャグ要素をきちんと入れている。

これだけ色々な要素があるし、家族全員秘密があるっていう基本設定があるしで、どこかで破綻、もしくは誰かが(ストーリー展開的に)置いてきぼりになる感は否めないかなと思ってましたが、全然そんなこともなくきちんとそれぞれに見せ場があり、それがストーリーにもちゃんと絡んでいました。
ストーリーの構成がとにかくすごい。


私がオタクのロイヨル民てこともあるのでしょうが、特に口紅の伏線がすごく綿密だなと感心しちゃった。


・ヨルさんがロイドさんの浮気を疑う(余計な知識を仕入れる)(伏線1)
・ヨルさん一人でギクシャクする→旅行を楽しめない(伏線2)
・口紅が合わないといい、ロイドさんから逃げる(伏線3)
・ロイドさんから口紅をプレゼントされる(伏線3の回収)(伏線4)
・やけ酒して倒れる→全体的な旅行行程の時間が無くなる(伏線5)
・ふたりで観覧車→ロイドさんから真摯な告白(伏線1・2の回収)
・ロイドさん、食材集めにひとりで行動せざるを得なくなる(伏瀬5の回収)
・ヨルさん激闘の末口紅を使って倒す(伏線4の回収)

特に口紅の展開と回収がよかった。

あと、お互いに秘密を抱えたご家族に相応しく……といってはなんですが、せっかくの旅行なのに「旅行だけに集中できない事情」を全員に持たせるっていう理由付けがね。
ストーリーにきちんと絡んでいて、かつ不自然じゃないので「おおお~」と思ってしまった。



・ロイドさん→梟の存続危機
・ヨルさん→ロイドさんの浮気を疑う
・アーニャ→軍人に追われる。

これでお互い、自分の行動に制限が出て、かみ合わなくなって、家族一緒にはいられないということで、個々が行動する必要性(理由)を与えて、でもそれぞれの行動が少しずつ重なっているので「離れていてもどこかで繋がっている=家族」という印象は損なわない。
そしてラストに全員で協力して危機を脱出する……という展開が。

いやーバランスと調和がほんっとすごかったです。
見ていて気持ちが良いし、最後うるっとも来ちゃいました。


中村倫也さんと賀来賢人さんも流石だなと思いましたし、まだ色々ありますが、とりあえず初見の感想です。



本当に楽しかった!
また見たい!
芦花

芦花