RuiAuden

インフィニティ・プールのRuiAudenのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
3.5
我々がいくら頭で拒み、口で綺麗事を並べようとも、「道徳的規範から激しく逸脱した行為がもたらす快感」を心の底から否定することは果たして可能なのだろうか?そのようなインモラルの極地を地獄(天国?)巡りすることになる主人公はトキシック・マスキュリニティを分かりやすく誘発する存在であるミア・ゴスに導かれてゆく(まるでマリリン・マンソンのMVのような悪夢的ヴィジョンに苛まれながら)。被写界深度が浅く印象的な映像、そして父(デヴィッド・クローネンバーグ)譲りを思わせる人体破壊描写など見どころはたくさんあるが、しばし難解とも評される父デヴィッドの作品と比べると非常に分かりやすい作品でもあり、「金で物を言わせることの本質的な空虚さ」を風刺しているようにも見える。
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