叡福寺清子

丘の上の本屋さんの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
3.1
邦題の通り(原題のDeepL翻訳は『幸福を得る権利』),丘の上に佇む石造りの古書店が舞台の本作.当然ながらひなげしなんかは咲き乱れておりません.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

店主であるリベロさんの人柄か,店には様々な人が出入りします.作品は店主とそんな人々の交流を描きますが,特にブルキナファソからイタリアにやってきた移民少年のエシエンには親身に接します.店の古書を無料で貸し出すほどに.
特に事件らしい事件は起きません.淡々と日常を優しい光の元で描いていきます.夜のシーンがあったかどうか記憶に残らないほどに,日光下での人間模様にこだわります.日光は性別年齢国籍地位に無関係に誰にでも平等に降り注ぐから,といいたげなほどに.

で淡々とエンドロールを迎えてくれればスコアはもうちょっと高かったのですが,最後の最後,ど直球なお説教が掘り込まれたんで,わたしゃおったまげました.おまえ,これは視聴覚教材じゃねぇんだぞ.そういうのは,作品の中でさりげなく提示するもんじゃないんか.オヂサンちょっと呆然としちゃったぞい.