ねむろう

丘の上の本屋さんのねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

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この本は、面白かったかね?




【簡単なあらすじ】
イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。店主リベロは、ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛け、好奇心旺盛なエシエンを気に入ってコミックから長編大作まで次々と店の本を貸し与えていく。リベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾けるエシエン。感想を語り合ううちに、いつしか2人は友情で結ばれていく…。




【ここがいいね!】
この映画の最大の魅力は、やはり「本」です。何の本をエシエンに読ませるかというところが重要な映画です。そんな中で漫画・絵本から児童文学や哲学書、様々なが登場し、エシエンやそのほかの客との橋渡しをしていきます。




【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
リベロがどこかのタイミングで亡くなってしまうだろうという示唆はありましたが、実際に彼が亡くなったというというところが唐突だったように思います。
また、様々な本が紹介されるわけですが、その本の内容だけが語られて、本の題名や作者については語られないという本が何冊かありました。私の知識も浅いところがあって、何の本だったのかなとすごく気になりましたし、それが伝わらないとこの映画の良いところが薄れてしまうようにも感じました。




【ざっくり感想】
「本が好きな人のための本の映画」という感じで、とても良かったです。エシエンとリベロの本のやりとりが、もっと深いところまで話がされているとよかったなという風に思います。
そして、リベロからエシエンに対してバトンをつないでいく、本によって伝えるという描き方が非常に美しい作品だったと思います。改めて考えると、そもそも本自体がそういうものであるとも言えます。在りし日の人から、まだ見ぬ未来の人へ伝える。リベロとエシエンとのやりとり自体が、歴史と知恵を後世に繋いでいく行為そのものを表しているように思うのです。
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