岩嵜修平

ザ・キラーの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
3.5
フィンチャー作品はハマったことが無い(強いて言えば『ソーシャルネットワーク』と『ゴーンガール』)中で、今作も今ひとつ。余計な要素を取り除いて、一つ一つのシーンを丁寧に描くのは良いが、ヒッチコックも通ってない身としては、序盤から冗長に感じた。

最初から失敗されてしまうと、ただ神経質でプライドが高いだけの能無しにも見えてしまい、笑って良いのか悩ましかった。フィンチャー自身のキャリアを重ねた作品という評を見たが、過去作も完璧な傑作ばかりと思ってない身からすると、自虐的とも思ってしまう。ジョン・ウィック以上に自業自得な展開。

とはいえ、マイケル・ファスベンダーは相変わらず魅力的で、何を考えてるか分からない感じが合っている。キアヌ・リーヴス、デンゼル・ワシントンと心を病んだ殺し屋チームの中では、1番近くに居て欲しくないタイプ。何もかも捨てまくるスタイルも気が合わない(だからフィンチャーも合わないのか)。
岩嵜修平

岩嵜修平