フィンチャー監督の作品を劇場で観たのは『ドラゴン・タトゥーの女』以来(『ゴーン・ガール』は観ていない)。実に11年振りというのは感慨深い。
本作は暗殺依頼をしくじった殺し屋が、報復として身内を襲撃されたことにより逆襲に向かうというあらすじ。マイケル・ファスベンダーが主演ということで間違いない筈なのだが、予想に反してそこまでハマらず。
フィンチャー作品に共通する「持続する緊迫感」は今作でも健在。キレッキレな映像含めて「ああ、フィンチャー作品だ」と感じるのだが、主人公の殺し屋のキャラクターがいまいち乗れない。
目的を淡々と推敲していく姿はまさしく「プロフェッショナル」なのだけど、冷静沈着過ぎて感情が乗ってこない。しかし、フィンチャーは『ゾディアック』や『ゴーン・ガール』といいサイコパス気質なキャラクターを題材にするのが好きだな。