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ナルヴィクのharuのレビュー・感想・評価

ナルヴィク(2022年製作の映画)
3.5
愛する者を守るため。

第二次世界大戦下、中立を宣言していたノルウェーの港ナルヴィクがドイツ軍に占領されると、イギリス・フランス・ポーランドの連合軍が上陸し、ナルヴィクは戦場となる。地元のホテルで働くイングリッドは戦地に赴く夫の帰りを待ちながら、ドイツ軍の通訳をする一方、イギリス領事を匿っていた。

「ナルヴィクの戦い」を描いたネトフリ戦争ドラマ。かなり地味な作品ですが、当時ドイツにとってのナルヴィクは、ロシアにとってのクリミア半島であり、今見るとウクライナ侵攻が頭をよぎる。
当時中立の立場をとっていたノルウェー。ナルヴィク市民はまさかここが戦場になるとは思っておらず、序盤は緊迫感なし。ところが突如港で爆発が起こると、ナルヴィクはあっというまに戦地と化し、もはや「中立」とか言ってられない状況に。
夫グンナルが前線で死に物狂いで戦う中、妻イングリッドも幼い息子を一人で守らなければならず、必死に戦っていた。彼女にとっては、ドイツもイギリスも、どちらも自分たちを脅かす存在でしかなく、大事なのはどちらが勝利するかではなく、愛する息子だけ。すべての人の戦う理由が「愛する者を守るため」なら、誰の行動も間違っていない。だけど戦争ですべての人の大切な人が守られることはありません。
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