叡福寺清子

ナチスに仕掛けたチェスゲームの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.7
ヨーゼフ・バルトークさん.オーストリア貴族の資産の公証人でございます.時代はナチスが祖国オーストリアを併呑した直後.貴族の莫大な遺産を入手したいナチスは,ゲシュタポを使い, バルトークさんをホテルの部屋の監禁.外界との接触を一切断絶するという精神的拷問によって,預金運用に必要な数字を聴取しようとしますが・・・

監禁状態で絶望の日々を送るバルトークさんの心の支えとなったのは,偶然入手したチェスの教本.それがなければ,とっくにバルトークさんはゲロっていたか,精神が破綻していた事でしょう.

大変しんどい映像が続きます.セレブらしい振る舞いと気品を漂わせていたバルトークさんが,長期に渡る監禁生活で追い詰められ,見すぼらしくなっていく様子は,ある種の九相図を鑑賞しているような錯覚を覚えました.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.
かれんのわからず屋とクサクサした関係が継続した状態で視聴した私は,バルトークさんの変容に心が入りすぎて,劇場で叫びだしそうになってしまいました.皆様もご視聴の折には,ご注意いただきますよう,よろしくお願いいたします.

個人的にはいつもの感じ,すなわち収容所に収監されたチェス名人が仲間の命を救うために,ナチス相手に盤上での戦争を繰り広げる話と思っていたので,相当にびっくりしました.現代の戦争には勝者なしとはよく言われる事ですが,バルトークさんの戦いにおいても勝者は存在しなかった事になるのでしょう.

姫様・・・本作観ても首かしげちゃうのかしらねぇ・・・・・・エッ姫って誰やねんですって.それは言わないが華でしょう・・・ってわからず屋のかれんじゃん.あたしをどこ連れて行くんです!あ,あれはメトロポール・ホテル!!だめぇぇぇそこだけはだめぇぇぇぇぇぇ!!!!