「人をわかるってどういうことだと思いますか」と山崎は言う。
かなえは癖のある不思議な男にそんなことを言われるとも思ってなかったのであっけに取られてしまう。
- 暗転 -
このシーンが個人的に良かった。
自分を「わかる」といった命題というのは学問的にはいろいろ掘られている分野ではある。代表的なものでいうとジョハリの窓だろう。
人には認知できない自分というものがある。
自分というのは理解できなくて当たり前だ。
現代の我々は人間関係で摩擦をいかに起こさないか、傷つけ合わないか。
それに躍起になってる我々を問いたかったんのではなかろうか。
問われているとはいっても画一的な「示し」ではない。
自分を偽り生きていくのも「それもまた人生だ」と近所のおっちゃんも言っていたように、多様の生き方を尊重しながらも、人間同士ぶつかっていくことの大切さを感じ取れた。