Yuno

乱のYunoのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.2
自分としては羅生門以来の黒沢映画だが、乱世をテーマとした作品の中ではトップクラスの出来で思わず拍手をしてしまった。

映像表現も良く、コントラストが印象的であった。特に強烈な「赤」は脳裏に焼き付いてしまうほど。
三兄弟の三本の矢のシーンは広島県民なら毛利元就をすぐに想起させるだろう。
「一本なら簡単に折れてしまうが、三本束ねれば簡単には折ることはできない。」と一家の結束を誓わせる意味があるのだが三郎は3本の矢を力づくで折ってしまい血で血で争う展開になったところで思わずこの作品にのめり込んでしまった。

シェイクスピアの“リア王”が元ネタでまさに悲劇的な結末を迎えてしまうのである。
リア王やその他元ネタになったシェイクスピア作品も見なければと思えたし、彼の作品をもっと見てみたいと意欲が湧いた。
Yuno

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