ENDO

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版のENDOのレビュー・感想・評価

4.0
コワルスキーが最後の英雄と呼ばれるのは公的なものに包摂されてしまう人間の挽歌として、かろうじて残った良心そして自由を象徴する存在であるからだ。その名はKOW"ALSKI"としてラジオ局を通して残るだろう。差別主義者に襲撃され、致命傷を負ってしまうスーパー・ソウルの相棒。哀しいけど加害者は生き延びるし、ひたすらに警官を出し抜いて州境を越え続ける。ガソリンスタンドの彼女、ストリーキングの彼女、名前は知らないが通り過ぎていく人々の顔。浮遊感ただよう現代の御伽噺。冒頭と終幕がうまく繋がらない。観客を欺くその"消失点"によっていつまでも心に残る一作になっている。
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