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毒戦 BELIEVER 2のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『毒戦 BELIEVER』の続編。

まず前作との大きな相違点となるのが、ヨンナク役のリュ・ジュンヨルの降板。
やはりリュ・ジュンヨルのミステリアスな存在感があってこそのヨンナクだったので、役者の交代に違和感は拭えませんでしたね。

物語的には、前作の終盤にある空白の期間が描かれます。
前作で話の決着は着いていただけに、目の付け所が面白いなと思ったし、映画の後半が前作の後半と重なっていく構成も上手い。

あとは、ハン・ヒョジュ演じるクンカルが印象に残ったかな。
デカい金縁眼鏡に加え、髪も肌も荒れ放題という、今までにない女性キャラ像で新鮮だったし、こういうキャラがルッキズムの強い韓国から出てくるのも興味深いものがありました。

このクンカルを始め、ヨンナクやブライアンなど、麻薬組織の抗争が描かれるわけですが、そのせいで映画全体が大味なアクション映画になってしまったのは残念な部分。
前作ではチョ・ジヌン演じるウォノ刑事の型破りな捜査が面白かったわけですけど、本作ではウォノの見せ場は皆無で、そもそも出番自体も少ない。

じゃぁ、ウォノ以外のキャラクターが面白いか?というと、これも微妙で…。
正直、ブライアンは続編まで引っ張る程のキャラではないと思うし、肝心のイ先生も普通のオジサンでガッカリ。
てか、前作で「イ先生=ヨンナク」と種明かししてた気がしたんですけど、あの設定はどこにいってしまったのでしょうか?

ラスト、前作でボヤかしていた部分をしっかり見せるのは誠実に思えましたが、こんな救いのない結末を見せるくらいなら、ボヤかしたまま終えて欲しかった気もします。
この描写のおかげで、前作を見返した時に「どうせ2人共死ぬんだよな~」と思ってしまうのが本当に無粋だと思うんですよ。

続編が失敗するのはまだしも、続編が前作を毀損してしまうのは、あってはならない事。
こんな続編なら作らない方が良かったのかもしれません…。
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