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スペースマンのKHのレビュー・感想・評価

スペースマン(2024年製作の映画)
3.4
2024年度の年間ノルマ70本中22作品目。
見させて頂きました。

何か見ようと思ってたと言うよりは、
ザッピングしててふと目に止まったと言うか、森川智之の声に反応してしまったと言うか。

なかなかワクワクする宇宙もんかぁみたいな軽めのノリで選んでしまいました。
内容としては宇宙もんということ以外は、なんやクリーチャーみたいなのが出てくる的な感じ以外は何も知りません。

まずはネタバレなしの率直な感想をば述べたいと思います。

『ビックリしました。いや、逆の意味でと言うか。なんか思ってたのと全然違ったと言う意味でですけど、
なんと言うか別に宇宙じゃなきゃダメって感じもしないというか。どう捉えたら良いのでしょう。掴みどころが全然ない映画だった様に思えるけど、
何か大きなことを見落としてる様な気もしないでもない。すごく不思議な映画でした。
また、舞台とか、国の関係性とか、その辺は端折って考えても良いものか。
ちょっとこの後色々真剣に考えたいと思います。
本当正直全然わからなかったというか理解が追いついてない感じでした。』


かなり難解というか。多分何かしらのメタファー的な手法なのか、どストレートなのかも分かってないので、
流石にこの後ゆっくりと咀嚼していきたいと思います。

また、ここからはネタバレ有りの感想になりますのでまだ見てない方はご注意を、


まずはざっくりと物語をまとめたいと思います。

・うまくいってない夫婦。
・旦那が1年間宇宙へ。
・宇宙船の中で、蜘蛛型宇宙生物と出会う。
・上手くいってないことを相談。
・徐々に悩みや、過去のトラウマを受け入れて
・まぁ宇宙から見たら俺の悩みなんて?ちっぽけなもんさ。
・奥さんと和解??

こんな感じでした。え?合ってる?
いや、まぁもう少し細かい感じに分けることもできるけどざっくりいうとそんな感じ。

また、主人公のヤクブは過去に父親が
殺された?と言うか多分政治的なもんに
消された的な描写があったんですが、
ちょっと難しかったと言うか、説明がないので判断しかねる部分ではありますが、

どうやらそのことが少しだけヤクブの中のトラウマとして残っており、
父親の汚名みたいなのを晴らすために、
家庭を顧みずに仕事を優先してしまったように思えます。

また、蜘蛛型の生命体が本当に実際にいるのかも怪しい部分で、
6ヶ月もの長い間、一人ぼっちで遠い宇宙にいれば幻覚も見るかもしれないと考えれば、
彼の脳が生み出した生命体であり、

また、だからこそ形が蜘蛛にそっくりというか、もっと変わった形のもんでも良いのに、
まんま蜘蛛である。
また奥さんのレンカが蜘蛛に触れてる描写があるので、ヤクブはもともとアラクノフォビア(蜘蛛恐怖症)的な症状があり、

彼が孤独の中、妻の関係性や、幼少期と向き合う時にそれが自分の中の恐怖と繋がって、
蜘蛛の生命体として顕現したのかなとか考えてました。

ただ、ぶっちゃけ妄想でも、現実でも大して変わらないと言うか。特に地球で管理してる担当にハヌーシュの姿が見つかって大パニックみたいなことにもならないし、
かと言って、ずっと独り言いってんなこの人、ともならないと言うか。
だからどっちでも良いんすよ。こんな考察は無駄なんすよ。

つまり僕の考えとしては、宇宙である必要もないし、相談相手がいても居なくても良いんすよ。
例えばハヌーシュから、『どうして繁殖して、子孫が誕生しようとしてるのに落ち込んでるの?』的な事を聞かれますが、

今考えると、生命体として本来持つべき
子孫を残す事や、死を避ける事、生き延びる事という本来生物にとって当たり前の行動を、
何故、人間は拒絶してしまうのか?

という疑問を投げられます。

これはすなわち、さまざまな悩みに直結すると言うか、どうして嫌な仕事をずっとしてるの?とか、
なんで嫌いな人達と付き合わなきゃいけないの?とか、

どうして、食べたいのを我慢してるの?とか、日常にある悩みみたいなのを
大きな枠組みで捉えれば、君達人間の悩みなんて生物界から見たらものすごくちっぽけだよ。
というお話なのかなぁとか考える結論に至りました。

まぁ、そんなことはわかってるんですよ。

ただ、もっと砕いて考えると、旦那が宇宙飛行士っていう超絶名誉ある仕事に就いてるのに、
淋しくて別れるみたいなムーブされてて
えぇ、もっと誇れや旦那をよぉ‼︎
と思えてしまうと言うか。
まぁ確かに第一子出産時に流産してしまったりとかした際にそばに行かなかったとかはわかるが、
だとておそらく数千人クラスの人間が関わってるプロジェクトで、その中心に自分の旦那がいるのであれば一緒になったらどれぐらい会えないかとか結構理解してて然るべきかとは思うけどなぁと、感じないでもない。

なので、すごく難しいと言うか、夫婦のどちらに対してもなかなか感情移入し辛くて
それでもまぁ、きっと彼は宇宙飛行士をもう辞めて、生涯を妻と子供と共に過ごして終わるんだろうなぁと言うのはわかるので、

子供が言葉がわかったくらいには、ハヌーシュの話をしてみたりするんだろうなと、

そんな感じで飲み込みました。

とりあえず今回はこの辺にします。
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