hrm

マエストロ:その音楽と愛とのhrmのレビュー・感想・評価

3.9
指揮者、作曲家、ピアニストとして活躍したレナード・バーンスタインの半生を描いた伝記映画、とてもおもしろかった!
監督、脚本、主演ブラッドリー・クーパー、その妻役はキャリー・マリガン、娘役にマヤ・ホーク。
制作にはスコセッシやスピルバーグも名を連ねてる。

富も名声も手に入れた才能あるひとの生涯に起こる問題はある程度想像がつくから、ストーリー自体には驚かされることはなかった。
でも、年代によって変わる画面の表現(おそらく70年代以降を描いたあの重いカラー。まさにこの時代の映画の質感!最近、本やチラシの紙質の詳細に興味を抱いているのだけれど、それと同じくらい映画の撮影素材や映像の加工技術にも興味がある)。
それに感情の機微の表現。
そして、年齢によって変化していく皮膚やシルエットのメイク。
彩る全てが物凄くて、すっかり魅了されました。

特にビジュアル面にものすごく惹かれ、何度か字幕を読むことを忘れてしまったほど。
加齢によって少しずつ減っていく髪の張りや密度、額や唇の周り、首の皺に薄いしみ。
身体つきや動き方の変化。
最後にバーンスタイン本人の映像が出てくるのだけど、ものすごい寄せ方をしているのがとてもよく解った。
そもそも、なんとなく惹かれた程度で観に行ったので、主役らしき男性の顔が映ってしばらく「ブラッドリー・クーパーに似てるひと」として認識していたくらい。
メイクを手掛けたのは京都出身のカズ・ヒロ(辻一弘)さん。
週末のアカデミー賞授賞式が更に楽しみになりました。

Netflix配給作品で日本でも年末から配信が始まっているようだけど、この映像はスマホで観たら勿体無い。
せめてテレビの画面で、できればスクリーンで観た方がより深く楽しめると思いました。
hrm

hrm