このレビューはネタバレを含みます
今年ダントツ最高傑作とまでは思わなかったものの、メッセージが明確で真摯さを感じる良いアニメ映画でした。これが傑作！というより、これが傑作として歓迎されている事実の方が重要な気がした。
かなり日本のコンテンツの要素を取り入れていて、それでいて今の映画にしているので日本頑張れと思った。「ゴジラ」「進撃の巨人」は分かりやすいけど、「プペル」近いことやってたじゃん！惜しいなあ！というか「プペル」はやろうとしたもの自体はすごく良かったと思うんだよね。説教臭すぎてウンザリさせられたけど。
本作も根底にあるものは怒りなので、特に後半は観ていて辛くなる描写もあるし正直説教臭さはあるのだが、あくまで前提はエンタメ作品。老若男女観られるポップな演出とランタイムになっている。作画も凄いんだが、今年は「スパイダーバース」「長ぐつをはいたネコ」「マリオ」と逆作画バグアニメだらけで埋もれてしまったかも。
話は戻るが、この分野でメッセージを発信できるアニメのクリエイターが、日本ではまだあまりいない気がする。新海誠は敢えて避けている気がするし。湯浅政明が一番近いだろうけど、キャッチーではないし。「すずめの戸締まり」も「THE FIRST SLAM DUNK」も素晴らしいアニメ映画だしメッセージ性もあったけど、本作みたいな映画が日本から出てくることにも期待したい。要素的には日本のコンテンツだ！と思っただけに。
と言いつつ、メッセージ性とエンタメ性の両立が世界トップレベルの超天才アニメ監督の新作が今週末公開なわけですが…タイトルの説教臭さレベル500…。どう転ぶか。出来れば絶賛していたい…。
