ももいろりんご

沈黙の艦隊のももいろりんごのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
4.0
条件はいろいろあるかと思いますが続編を早く!お願いしたいです。
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海上自衛隊の潜水艦〈やまなみ〉が米原潜に衝突、艦長・海江田四郎以下76名死亡 — 衝撃的なニュースの真実は、日米政府が極秘に建造した高性能原子力潜水艦〈シーバット〉に彼らを乗務させるための偽装工作だった。
しかし、その偽装を利用し、海江田はシーバットと乗組員と共に反乱、逃亡。独立戦闘国家「やまと」を全世界へ宣言する。
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原作漫画を途中まで読んでいたので、どこまでやるのか、どう終わらせるのかが気になって鑑賞。
読んでいたところは今回の内容に含まれていたので、コミックス全32巻のうち、まだ入り口に思います。
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海江田を演じる大沢たかおと、それを追いかける海自ディーゼル艦〈たつなみ〉艦長・深町=玉木宏の二人の対比は良かったし、二人の新旧?ソナーマンはいいキャラだった!海上、海中での戦闘シーンにちゃちさは感じなかったし、のめり込んで楽しめた。
反面、陸の人たちの描写が弱いかな。日米の政府関係者は、もっと大物感(悪徳感)があってもいい。
漫画では男一色の世界でしたが、女性の政治家に夏川結衣、〈たつなみ〉副艦の水川あさみの存在はいい。
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原作は1988年から1996年。原作者のかわぐちかいじは実写化できない漫画を描いたと語っていたけれど、30年の時がそれを可能にするのだからおもしろい。
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その連載中に”ソ連”は消え、その後、国家の敵は国家だけでなく、テロリストやウイルスや気候変動、もしかしてAI!?にまで拡がっている。
当時と今では全く状況が異なっている中、非核三原則、世界で一つの戦争被爆国、NPTの批准などの核という武器の扱い、核抑止力、専守防衛、自衛隊の意味…国を守り、真の独立について考える。
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なぜ今「沈黙の艦隊」なのか。
次回作を待たず、先送りはやめて、考えるべきなのかもしれない。
「発射」
海江田の声がする。