ももいろりんご

クラユカバのももいろりんごのレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
3.5
好みのキャラデ、大正昭和初期のレトロな香り漂う街並みと世界観。気になってしょうがなかったので観てまいりました。
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「はい、大辻探偵社」
近頃、世間を騒がせている謎の集団失踪事件。その跡には不気味な轍が残されるという。その謎を解いて欲しいという依頼に、荘太郎は相棒の情報屋サキを街の地下「クラガリ」へ潜入させるが、サキが消息を断つ。荘太郎が後を追って地下に入ると、そこには黒鐵くろがねの装甲列車とそれを指揮するタンネがいた。
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原作・脚本・監督は塚原重義。長年にわたり個人映像作家として活動してきた日本のインディーアニメの牽引者。本作はその塚原さんが10年の構想を経て作成した長編アニメーション映画で、今回、海外の映画祭で受賞した凱旋上映なのだとか。
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看板の文字は左から右へ、着物と洋装、町の路地もなんだか懐かしい。線路を辿って「クラガリ」の世界へ忍び込むと、祭りの縁日か戦後の闇市か…地下に潜ったらそこは人の世界じゃない?と思っていたら、そこに暮らす人もいて(笑)。
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鉄、木、メカ、ネジとゼンマイで動く機械たち。スチームパンクというらしい。和風のファンタジーはジブリにもありそうだけど、一線を画す世界観。しかもなかなかダーク。
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チャランポランタンのアコーディオンと講談師・神田伯山の声がピッタリ。とてもよかった。
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61分にこれでもか!と詰め込まれた展開とリズムがは付いていくのが大変だけど好き。ただ謎だらけのまま少しフワッとした作りはなぁ…(オチが欲しいタイプσ^_^;)。シリーズ化して続きがあるならウェルカムだよ!
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くらがりに曳かれるな