ふみぃぃeeeee

コット、はじまりの夏のふみぃぃeeeeeのネタバレレビュー・内容・結末

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


観ていたら心細さを覚えながら初めて祖父母の家に泊まりに行った頃の事を不意に思い出した。
そんなノスタルジーと共にコットに注がれる親戚夫婦のまなざしに優しさが溢れ出る。
父性とは?母性とは?といった事も考えてしまうし、遺憾無い表現で家族を超越したところの愛を感じてしまったのは小津の『東京物語』とも同一するものがある。
これぞ映画的というか台詞は少なくとも、コットの両親がネグレクト気味(母親に関しては女性の身体性を念頭においた)であることが分かってしまうのが素晴らしい。
親戚夫婦の態度全てを完璧にするということはせず、家に秘密があることは恥ずかしいことだと言っていたことがフリかのように、重大な秘密を抱えていた2人もまた正しく傷つく事から逃げていたのかもしれない。
奇跡の巡り合わせといってもいい3人のひと夏の日々がお互いにセラピーの機会を生んでいたに違いない。
ラストシーン、コットが駆け出して追いかけていくのはずるい。泣いてしまう。
そして、叔父さんの耳元でコットが囁く言葉が誰に向けられたものか自分の中では明白ではあるのだけど、映画としては明言していないだろう部分があることも最後まで良かった。

[2024年 33本目]
ふみぃぃeeeee

ふみぃぃeeeee