きなこ

コット、はじまりの夏のきなこのネタバレレビュー・内容・結末

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

★記録用

昨今の映画は、伏線をどれだけ拾えるかみたいな頭を使わせる映画が多い気がする。そういう計算された映画もとても好きなんだけど、それとは対極にあるような作りだった。

とにかく丁寧に描かれるのにだささがない。美しい映画だなと思った。
絵画的とまではいかず、でも画で丁寧にみせる。

例えばあの夫婦には男の子がいて昔ここに住んでいたということ。部屋に子供の服がある、どちらかといえば男の子の服。昔はここに子供がいてなぜか今はいない。
中盤で壁紙が乗り物と気づく。
もしかしたらあの夫婦に男の子がいたけど亡くなってしまったのかもしれない。あの子でも推測はできたはず。
でも今はそんなことより親切にしてくれているということだけ見ていたらいい。
だから近所のうぜえババアに言われるまで確信はもたなかった。
そう思えたのは主人公の視点にうまく誘導されていたからなのかもなと。

かと思えば井戸のシーン。直接的には言ってなかったけど、近所のババアの噂もあってきっとそうなんだろうなと思ってた。
その後主人公が1人で井戸に向かう。死ぬほどヒヤヒヤした。正解だったと言わんばかりに映される井戸。

おじさんのほうが最初冷たかったのも厄介者を押し付けられてなんでこっちが養わなければいけない?と思えば当然の反応。実際は良い子で手伝おうとしてくれてたのかもとわかってから、じわじわと関係が構築されているのは見ていて癒された。
子供を養うということにトラウマがあり、表面上では、優しく接してくれるおばさんのほうが距離が近いように思えるけど、実際はおじさんのほうが親子に近づいてたのかなと思うと最後のdaddyは響いた。

主人公の父はクソみたいなやつなのに、子供はドンドン増えて貧しい生活を強いられる。すごく対照的だなと思った。

走るシーンも印象的だったなぁ。
今までは逃げるために走ってたのに、目的を持ってゴールに向かって走ってる。
走ることが楽しいと思えるようになった。
素敵だなぁ。。


本当に丁寧で素直に誘導されるのが気持ちよかった。
映画の面白さは一つではないんだなと改めて感じた。



そして主人公の女の子美しすぎたわ
きなこ

きなこ