わたぼう

Totem(原題)のわたぼうのレビュー・感想・評価

Totem(原題)(2023年製作の映画)
4.5
東京国際映画祭 ワールドフォーカス部門にて。

『Totem』とーてむぉ良かった!末期癌の父親の誕生パーティー開く家族。みんな様々な問題を抱えているが、言葉には出さない。たくさんの子どもの中で、唯一その空気を悟っていく7歳の娘の演技が素晴らしい。

ラモン・チュルヒャーの『ストレンジ・リトル・キャット』を思い出すが、こちらはもっとアニミズム的。昆虫、動物、光、闇、風、火、自然。なにか不穏な感じの中、霊的な空気を抱きつつ、7歳のソルの世界は進んでいく。

あんまりQ&Aで細かいことは聞きたくないタイプの映画かも。なんだかビクトル・エリセ的な静謐さも感じた。監督はアニミズム的な考えが好きで、日本の霊的な信仰文化にも大変興味があるそうだ。なので、日本に来ることも、日本の人たちに観てもらうことも楽しみだったとのこと。

また、子どもを産んでから、映画を撮りたくなり、監督になったという経歴。子どもを産んだから、なれたとも。娘のことを考えて、この初長編を撮ったそうで、今後の作品も楽しみ。

エンドロールで、ソルが誰か(お母さん?)と会話をしている音声が入るが、字幕がなく、スペイン語なので分からなかった。エンドロールに動物や昆虫のイラストがあったから、そんな話をしてたのかも?と想像はした。Q&Aで誰か聞くだろうとタカを括ってたら、質問なく。質問すべきだったかな。

公開時には字幕がつくんだろうか。あえて今回付けなかったのか。付けるほどの会話はしてないよ、ということなのか。色々考えてしまった。
わたぼう

わたぼう