このレビューはネタバレを含みます
「君は君だから旅立ったんだ。そんな君だから僕は好きなんだ。そして君は僕からいつも去っていく人だ」
恋愛なんかの枠に収まる二人じゃないのよ
(by 宇多田ヒカル『time』)
と思いましたね。
だってふたりは前世からの繋がりで
また来世で会いましょうねって別れるのだもの
夫のアーサーが自分のことを
「彼は韓国から恋人を取り戻しに来た男で、僕はアメリカ人の悪い夫だ」と言ったり、
ヘソンがアーサーのことを
「彼がとてもいい人だから、とても苦しい」と言ったりする
もしも、そんな話だったら、なんて簡単でそしてありきたりだろう
ヘソンとノラの関係はドラマチックだけれど、決して甘くロマンチックにはならない。それがすごくすごくいい。だって、ありきたりなメロドラマは溢れているから。
このふたりは、きっとまた来世で出会う。
どんな関係だろう？
ようやく結ばれるだろうか？
それとも、もしかして、宿木にとまった小鳥とその枝の関係だろうか？
もしそうやって何層も何層も、8000層目に辿り着くまで、ふたりの人生が交差し続けていくのなら、分かりやすい恋愛物語よりもそっちのほうがずっとロマンチックだと、私は思うから
