正直に言うと登場人物全員気に食わないと言うか、大人のマーガレット的なテイストでご都合主義だったなという印象。もちろんフィクションだからリアルである必要はない。でも恋愛って自分の私生活にもあるものだから、ひとたび無理があると思うと作品から距離を取って見てしまう。小学生の子供に思い出を残すために子供同士でデートという名目で遊ばせるのも理解できない。12年ぶりにFacebookの友達申請をしてきていきなり告白するストーカー気質なヘソンも、そんなヘソンの恋心を知りつつもて遊ぶノラも。アーサーも嫉妬の一種なんだろうけど、もし○○だったら？と可能世界の話をするのが気に食わない。もし明日地球が終わるとしたら？みたいな類の会話に意味はない。3人で会うのは分からなくもないけど、ヘソンとノラが2人で会話し出したの本当に気持ちが良くない。アーサーにして見れば自分を飛び越えたところで内緒の話が繰り広げられているようで見てられない。
「縁があった」「運命だった」「来世で会おう」のような運命論を唱える人って、それまで築き上げてきた物を否定しているんだよな。漫画家と編集者が出会ったら、それは運命や縁ではなくて、0から1を作りたい人と1を100にしたい人達が沢山いて、その中で偶然的に出会ったのであって、それはあらかじめ決められていたことでも引き寄せられた結果でもない。当人が努力してそのポジションに収まった中での偶然的な出会いに過ぎない。そのラッキーを大事にしたいと言う気持ちは大切なんだけど、それを縁や運命で片付けて欲しくない。
ただ物語としては展開があったのと、シンプルで分かりやすい構成だったので見ている時間はあっという間でした。過去に幼馴染や長年の知り合いと大恋愛をした人には刺さりそうな作品でした。
