してぃぼ

恋する惑星 4Kレストア版のしてぃぼのレビュー・感想・評価

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)
4.4
主演のフェイ・ウォンが歌う「夢中人」がめちゃくちゃ良い。特にイントロが良過ぎる。恋に落ちる瞬間、人の部屋で自由にくつろぐ時間、好きな音楽をかける時間。劇場で聞くと低音もしっかり聞こえるのと、シンセで入ってかつすぐにディレイがかかる感じがその時々の感情にマッチする。感情が動くその時を切り取った情動が全部表れているような。観終わった後にスピーカーで大音量で流したくなる。

物語は途中でフェイがバトンタッチする構成。どこかでもう一回モウ(金城武)が戻ってくるのかと思ったけど違った。序盤は少しサスペンス要素もあり。謎の金髪女は最後までミステリアス。モウの誘い方がダサ過ぎてそこが良い。不器用だけど真っ直ぐで優しい。ホテルにお持ち帰りたかと思いきや、軽食をつまみながら1人で古い映画を2本観るなんて。

警官663号とフェイのパート。家の窓からエスカレーターが見えるってどんな家。普通に考えて自分に好意がありそうな女の子が鍵を盗んで、出入りした上に勝手に模様替えまでしているのがホラーなんだけど、それを甘酸っぱく描いているのが見事。ふやけた手紙を乾かして1年後に行き先を尋ねるラスト。いつの間にか警官が跡地で店始めてるし、フェイは航空関係で働いているし、行き先だけ消えてるし。やり過ぎだろ!と思うけどこれくらいが逆に良い。

物語のキモになっているのはお店の店長。余計なおせっかいやんけとも思うけどいい味出してる。何も考えずただ流しておきたい映画です。
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