回想シーンでご飯3杯いける

ブラックベリーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ブラックベリー(2023年製作の映画)
3.9
いやー、面白かった。

iPhone誕生以前にスマホ市場を席巻していたブラックベリー社を題材にした実話ベースの話。Nike社を題材にした「AIR」にも雰囲気が似ているけど、このブラックベリー社はオタクが立ち上げたベンチャーで、社員も一般社会では認められないようなぶっ飛んだ連中ばかり。僕はこっちのタイプの方が断然好きだ。

日本人は携帯電話を使う時は日本語配列でキーボード入力するので、アルファベット配置のキーボードを持つブラックベリーのスマホは、法人向けで出回っていただけだったと記憶している。それ故に、本作も日本で劇場公開されなかったのだろう。

僕は、本作でブラックベリーのライバルとして登場するフィンランドのメーカーNOKIAの端末を使っていた。音楽もそうなのだが、コミュニケーションや表現に関わるデバイスやメディアは、日本でしか通用しない物より、海外製、または海外向けの製品(言い換えればグローバル仕様)を使いたいという気持ちがあって、それは今も同じだ。映画も日本のシネコンより、Netflixの配信ラインナップの方が刺激的だと感じる。

映画に話を戻すが、せわしなく動き回るカメラや、2000年前後のオルタナティブ系のロックを挿入する演出も含めて、ドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」に近い作風だと思う。直球のサクセスストーリーになっていないのも良い。