回想シーンでご飯3杯いける

Bleak Night/BLEAK NIGHT 番⼈の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

Bleak Night/BLEAK NIGHT 番⼈(2010年製作の映画)
3.6
2010年のインディー系作品で、青龍映画賞の新人監督賞と新人俳優賞を獲得。最近の韓国映画とは明らかに質感が違う。高校生の自殺を題材にしているものの泣かせる演出は無く、時系列を微妙にずらしながら、事の経緯をドライに描き出していく。

少年のいじめに於いて、加害者と被害者を明確にする事は重要であるが、そこを固定し過ぎてしまうと、深層原因が見えなくなってしまうという視点も必要だと思う。特に本作のように、親目線で見た息子の友人関係となると、どうしても視点は固定的になりがちだ。本作では、起こった事の「見え方」をテーマにした作品と言えるだろう。先日レビューしたアメリカ映画「対峙」に似た部分があると思う。

親切丁寧な構成では無いので、観る側が思考をめぐらせる事が大事。そこから見えてくるのは、十代ならではの純粋さと焦燥感である。