回想シーンでご飯3杯いける

ワッツ・インサイドの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ワッツ・インサイド(2024年製作の映画)
3.2
結婚前夜のカップルを含む男女8人。そこに持ち込まれたのは脳内が入れ替わるという怪しげな装置。

登場人物はほぼ8人だけだし、皆リアクションが大きめなので、海外で良くある、ホームパーティー風のロケーションで撮られたリアリティショーみたいな雰囲気がある。それをしっかりと映画風に盛り上げるのは、静止画やナレーションを巧みに取り入れる演出だ。アメリカ製作だけど、演出的にはガイ・リッチー辺りのイギリス映画に近いかも。

脳内が入れ替わる事で浮かび上がるのは、他者を羨む心や、逆に見下している気持ち。更には意外な形で知ってしまう恋人の本音であったり。軽いコメディとして始まりながら、予想外に人間の深層に迫る展開を見せるから侮れない。

全体的に女性陣はこのゲームを楽しんでいるのに対して、男性陣は終始ビビっているのも面白い。

8人の名前と立場を把握する間もなく話が展開していくので、途中で一旦停止して、序盤から見直さないと面白みが分からない。その手間を楽しいと思えるか、面倒だと感じるかが評価の分かれ目か。