IMAO

ソウルメイトのIMAOのレビュー・感想・評価

ソウルメイト(2023年製作の映画)
4.0
ほぼ予備知識無しで観ましたが、なかなか面白かったです。最近はなるべく前情報無しで映画観る方が好きで、新作だろうが旧作だろうが、映画ならなんでも良い!みたいな感じになってます^^こう言うと烏滸がましいですが、どんな映画からも学ぶことはあるとも思っているので…

小学生のハウンのいる学校に転校生のミソがやってくる。二人はほどなくして親友になり、高校生となる。ハウンには彼氏のジヌが現れて、二人の関係が微妙に変化してゆくのだが…

コレはパンフを読んで後から知ったのですが、この映画は中国・香港合作映画『ソウルメイト/七月と安生(21)』(監督デレク・ツァン)のリメイクだそうで、そちらは未見です。とはいえ、ここで描かれる世界観は日本の少女漫画っぽいな〜と思っていたら、オリジナルの映画は原作はあるものの監督のデレク・ツァンは岩井俊二の『花とアリス』へのオマージュとして作った作品なのだという。つまり少女漫画好きの日本の岩井俊二の世界観が中国へ渡り、そして韓国で翻案された作品と言っても間違いないでしょう。そうした背景がわかると、なるほどと合点のいくところが多々あります。
何しろ、やはり少女観というか女性観がやはり男性から見た感じ。でもそれが果たして女性たちにはどう捉えられるのか?(ちなみにパンフには俳優の小川紗良が、とても良いコラムを書いています)本作のミン・ヨングン監督はその点についてこう語っています。

「重要なのは2人の関係における本質をどう感じるのか?というところにあると思いました。いろいろな人たちが自分の人生の中を通り過ぎて行くけれど、重要なただ1人の影響力はとても大きいのだということ。2人の女性の友情よりもさらに深い感情を、男性の私がどういうふうに描けるのか考えた時に、周囲の女性を見ていて自分たちの友情を周りに誇示することはないけれど、そこにはものすごい強さがあるのだと感じました。(中略)このテーマを描くことはとても価値があると思いました。」

監督の言わんとしているところは、とても上手く描けていると思いましたが、ラストの方の展開は韓国映画的なテクニックが見えすぎて、ちょっと苦手だったりもします。
とはいえ、この映画で一番良かったのはミソ役を演じたキミ・ダミでしょう。10代〜30代までを違和感なく演じ切った彼女はとても良かったです。あと、さりげなく猫映画だったりもします^^

良いセリフが一つ
「人の顔は皆どうして違うと思う?それぞれに違う人生を行きるためなんだよ」

機会あれば、オリジナルの『ソウルメイト/七月と安生』も観たいと思います。
IMAO

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